こんにちは!龍司です。

昨夜は、ヴィヴィアン・ウエストウッド展 を見てみました。

ヴィヴィアン・・・最近では、映画NANA 中島美嘉さんが

身につけたことで話題のブランドですね。

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~破壊、再生、革新、洗練。

ファッション界の女王Vivienne Westwood35年の軌跡 

開催期間:11月23日(水・祝)~2006年1月15日(日)
場所: 六本木ヒルズ森タワー52階(森アーツセンターギャラリー)


入り口近くにWorlds End 逆さに時を刻む時計が・・

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ヴィヴィアンの言葉:

I have a kind of in-built clock

which always reacts against anything orthodox.

「私には、人々が正しいと感じていることに常に反発する

といった特別な時計が備わっています。」


過激ですね^^


▼特に1970年代のヴィヴィアンは、

SEX PISTOLSに象徴される過激なパンクファッションのイメージが

強いですよね。パンクカルチャーを生み出し、

SEX PISTOLSの衣装を手がけたのはヴィヴィアン。

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ただ、その後の1980年代、90年代のヴィヴィアンの活動を見ると、

ヴィヴィアンのいう「人々が正しいと感じていることに常に反発する

という考え方は、必ずしも「過激」というキーワードにおさまるものではない

ことがわかります。


▼80年代には、ヨーロッパの伝統文化を取り入れたり、

90年代にはエレガンスな衣装が中心でした。

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ヴィヴィアン・ウエストウッド展 では、

数多くの衣装とあわせて、ヴィヴィアンの貴重なインタビュー映像も

上映されてました。

インタビュー映像で、ヴィヴィアンは、


「ヴィヴィアンの服を着ているということ自体が重要なのではなくて、

ヴィヴィアンの服を着た人がいかに美しく見えるか、

そして、ヴィヴィアンの服を着た人を見て「あの美しい人は誰?」と

言わせることが出来れば成功である」、と仰ってました。


たしかに、ヴィヴィアンの服はシルエットが非常に美しいんですよね。


それから、

あまりに平凡なものが世の中にあふれていますが、

自分はいつも納得のいくものしか出さない、とも仰っていました。


展示された多くの衣装が、

どれも強いメッセージを放っているのも印象的でした。

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ところで・・・


私は、このインタビュー映像を見ながら、

ヴィヴィアンの感性はファッション以外の様々な商品、サービスの

マーケティングにも有効な考え方だと思いました。

モノが溢れた現代、多くのモノやサービスが

コモディティ化していきます。

コモディティ化・・・・モノが溢れた現代、商品の差別化ができなくなり、

マージンは底抜けに低下し、消費者はひたすら価格の安さだけを

基準に製品を買うようになること。


この傾向は、今後さらに加速するでしょう。

ですから、ありきたりな商品をただ単に出しているだけでは、

収益は出せなくなっていきます。

倒産する企業もでるでしょうし、事業を継続させても

かなり少ない収益で過酷な業務をこなさなくてはならなくなるでしょう。


この状態から脱するには・・・


ヴィヴィアンのように非凡なものを作ることが必要なのではないでしょうか。


非凡なものをつくる・・・

非凡なもの、それは、ただ過激、常識離れしたものというだけではなく、

それは自分のブランドへのこだわり、自分のブランドの価値の追求を

表していると私は思うのです。

70年代から90年代へのヴィヴィアンの衣装の流れを見れば、

このことがわかると思います。


これが、コモディティ化から脱する脱コモディティ化なのでしょう。

(以前お話したプロダクトアウト戦略 にも通じるものだと思います。)


そして、これがヴィヴィアンのブランドが70年代の話題だけに終わらず、

今でも生き残っていて、しかも発展している要因なのでしょうね。

多くのビジネスに参考になりそうです。


 

参考書籍

脱コモディティ化に関して、「経験経済

(B・J・パインII, J・H・ギルモア著)という本の中に詳しく書かれてます。

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本日、気になったニュース


・ ルイ・ヴィトン値上げ

LVJグループは11月24日より「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)」

製品平均4.5%の値上げを実施。

LV

▼円安ユーロ高の影響が強いみたいですね。

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ただ、プレゼント用の需要が伸びるクリスマス1ケ月前の値上げというのは、

企業側の戦略のような気もしますが・・

前回の値上げがホワイトデー1ケ月前でしたしね(笑